平均足とは
平均足とは、チャート(罫線)の1つで、一定の期間を(1)前日の始値と終値の平均値、(2)高値、(3)安値、(4)当日の4本値の平均値、の4つの価格をローソク足で示したものである。コマ足ともいう。(1)の計算結果を始値とし、(4)の計算結果を終値としてチャート表示する。平均足は、2日分のデータを用いるため、前日の価格がわからないと当日の平均足を書き表すことができない。
平均足とローソク足の違いは、ローソク足が当日の4本値によって書き表すのに対し、平均足は前日と当日の4本値によって書き表す点である。平均足は概ねローソク足で表示した時と同じような形で表示されるが、平均足では始値と終値を平均値で算出しているためローソク足の実体が滑らかになり、いわゆる「だまし」が取り除かれた形で表示される。だましがなくなることで、相場のトレンドがローソク足よりも見やすいという特徴がある。
ローソク足よりもトレンドが見やすくなるという特長を活かせば、FX(外国為替証拠金取引)のバイナリーオプション取引の指標として活用することも可能である。
一方、平均足ではその日の始値と終値の価格を知ることができない。ローソク足で陽線だったのが平均足では陰線で表示されることもある。よって、平均足では酒田五法のようなローソク足分析ができない。
平均足による相場の分析方法
平均足が陽線の場合、上昇トレンドであることを示している。一方、陰線の場合は下降トレンドであることを示している。また、平均足の実体の長さはトレンドの強さを表している。つまり、実体が長ければ強いトレンド(トレンドの継続)を示し、実態が短ければ弱いトレンド(トレンドの転換)を示す。平均足の実体の長い陽線が出現したら買い継続、実体の長い陰線が出現したら売り継続ということになる。
平均足で上ひげの長い陰線が出現した時は下降トレンドから上昇トレンドへの転換点となる。また、下ひげの長い陽線が出現した時は上昇トレンドから下降トレンドへの転換点となる。実体の短い平均足や、ローソク足の同事線のような形をした平均足の出現もトレンドの転換点となる。
平均足の4本値の計算方法
平均足の4本値は次の計算式によって求めることができる。
- 平均足の始値=(前日の平均足の始値+前日の平均足の終値)÷2
- 平均足の高値=当日の高値(ローソク足の高値と同じ)
- 平均足の安値=当日の安値(ローソク足の安値と同じ)
- 平均足の終値=(当日の始値+当日の高値+当日の安値+当日の終値)÷4
なお、最初の平均足の始値については、前日の平均足の値がないため、(前日の始値+前日の高値+前日の安値+前日の終値)÷4 で算出する。
平均足の計算例
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 平均足 の始値 |
平均足 の高値 |
平均足 の安値 |
平均足 の終値 |
8月1日 | 1000 | 1100 | 950 | 1050 | ||||
8月2日 | 1070 | 1120 | 1080 | 1110 | 1025 | 1120 | 1080 | 1095 |
8月3日 | 1100 | 1130 | 1030 | 1040 | 1060 | 1130 | 1030 | 1075 |
平均足をMT4で表示するには
平均足をMT4(MetaTrader4)のチャート画面に表示させるには、まずチャート画面を開き、メニューの「挿入」→「インディケータ」→「カスタム」→「Heikin_Ashi」を選択する。
この状態では、チャート画面にローソク足と平均足が同時に表示される。見づらい場合は、下記の手順でローソク足の表示を消すとよい。まず、チャート表示画面を選択して、メニューから「チャート」→「プロパティ」を選択する。「カラー」タブの上昇バー、下降バー、上昇ローソク足、下降ローソク足、ラインチャートのそれぞれの色設定を「None」に変更して「OK」ボタンをクリックする。
上記設定により、ローソク足と平均足の同時表示消え、平均足のみが表示されるようになる。なお、平均足の色を変更するには、メニューから「チャート」→「インディケータリスト」→「Heikin_Ashi」を選択し、「プロパティ」のボタンをクリックする。