陰陽契約

陰陽契約の意味

読み方:いんようけいやく
英語表記:positive and negative contract

陰陽契約とは、二者間の契約において、裏契約(本当の契約)と表向きの契約(嘘の契約)の2種類の契約を締結することである。二重契約の一種。陰陽契約の「陰」が裏契約、「陽」が表向きの契約である。

陰陽契約においては、実際に契約が履行されるのは裏契約(陰)の方である。陰陽契約の主な目的は脱税である。例えば、100万円の取引をする場合、100万円が明記されている契約書と、10万円が明記されている契約書の2通を作成する。前者が「陰」の契約、後者が「陽」の契約となる。

陰陽契約を締結した二者は、実際には100万円の取引を行うが、税務当局には10万円が明記されている契約書に基づいて申告を行う。これにより納税額を軽減することが可能となる。

日本においては、陰陽契約による脱税は刑事罰の対象となり、最高10年の懲役、もしくは最高1000万円の罰金が課せられる。

所得税法238条1項
第六編 罰則
第二百三十八条 偽りその他不正の行為により、第百二十条第一項第三号(確定所得申告)(第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)に規定する所得税の額(第九十五条(外国税額控除)又は第百六十五条の六(非居住者に係る外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした所得税の額)若しくは第百七十二条第一項第一号若しくは第二項第一号(給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告)に規定する所得税の額につき所得税を免れ、又は第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)(第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による所得税の還付を受けた者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

法人税法159条1項
第五編 罰則
第百五十九条 偽りその他不正の行為により、第七十四条第一項第二号(確定申告)に規定する法人税の額(第六十八条(所得税額の控除)又は第六十九条(外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした法人税の額)、第八十一条の二十二第一項第二号(連結確定申告)に規定する法人税の額(第八十一条の十四(連結事業年度における所得税額の控除)又は第八十一条の十五(連結事業年度における外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした法人税の額)、第八十九条第二号(退職年金等積立金に係る確定申告)(第百四十五条の五(申告及び納付)において準用する場合を含む。)に規定する法人税の額若しくは第百四十四条の六第一項第三号若しくは第四号(確定申告)に規定する法人税の額(第百四十四条(外国法人に係る所得税額の控除)において準用する第六十八条の規定又は第百四十四条の二(外国法人に係る外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同項第三号又は第四号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした法人税の額)若しくは第百四十四条の六第二項第二号に規定する法人税の額(第百四十四条において準用する第六十八条の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算を同条の規定を適用しないでした法人税の額)につき法人税を免れ、又は第八十条第七項(欠損金の繰戻しによる還付)(第八十一条の三十一第六項(連結欠損金の繰戻しによる還付)又は第百四十四条の十三第十三項(欠損金の繰戻しによる還付)において準用する場合を含む。)の規定による法人税の還付を受けた場合には、法人の代表者(人格のない社団等の管理人及び法人課税信託の受託者である個人を含む。以下第百六十二条(偽りの記載をした中間申告書を提出する等の罪)までにおいて同じ。)、代理人、使用人その他の従業者(当該法人が連結親法人である場合には、連結子法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者を含む。第百六十三条第一項(両罰規定)において同じ。)でその違反行為をした者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

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