捨て子線

捨て子線とは

読み方:すてごせん
英語表記:abandoned line

捨て子線とは、ローソク足の陰線が出現した翌日に下放れした十字線が出現し、さらにその翌日に株価が上放れして陽線が出現した状態のことである。また、陽線の翌日に上放れして十字線が出現し、その翌日に下放れして陰線が出現した状態も同様に捨て子線という。捨て子線は、トレンドの転換期を知る手掛かりの1つとして知られており、出現する場所によって売りサイン、買いサインを示唆することがある。

下落相場における捨て子線の出現は買いサイン

下落相場において捨て子線が出現した時は、十字線の出現したところが底値となってトレンドが転換することが多い。

下落相場における捨て子線のローソク足例
下降相場における捨て子線

1日目に陰線が出現して、2日目には下放れの十字線が出現する。3日目に上放れの陽線が出現すると捨て子線の形成となる。下落相場で捨て子線が出現した場合は、3日目の陽線を確認した所が買いのエントリーポイント(買いサイン)になる。

この捨て子線は、酒田五法の「明けの明星」と類似している。明けの明星は、株価が底値圏にあって大陰線が出現し、2日目に下放れした十字、あるいは小さいひげのある小陽線が出現、3日目に上放れした陽線が出現するものである。ここまでは捨て子線も明けの明星もほとんど同じだが、大きな違いは、明けの明星における3日目のローソク足が1日目の大陰線よりも下の位置にあることである。明けの明星の3つのローソク足を組み合わせるとたくり線になることも明けの明星の特徴である。

捨て子線と明けの明星のチャート

上昇相場における捨て子線の出現は売りサイン

上昇相場において捨て子線が出現した時は、十字線の出現したところが天井となって、上昇トレンドから下降トレンドへ転換し下落していく。十字線が天井に出現したら、多くの場合はトレンドの転換点と捉えることができる。

上昇相場における捨て子線のローソク足例
上昇相場における捨て子線

1日目に陽線が出現して、2日目には上放れの十字線が出現する。3日目に下放れの陰線が出現すると捨て子線の形成となる。3日目の時点で、2日目が天井だということがわかる。上昇相場で捨て子線が出現した場合は、3日目の陰線を確認した所が売りのエントリーポイント(売りサイン)になる。

捨て子線のチャート例

下のチャートは、パナソニックの日足チャートである。

この銘柄のチャートを見ると、3月中旬から3月下旬まで、株価が下落する相場が続いていることがわかる。4月2日の株価は安値で引けて陰線、4月3日は下放れの十字線が出現し、4月4日には上放れの陽線が出現して捨て子線の形成が確認できる。この銘柄は、捨て子線の出現を機に下降トレンドが終了し、上昇トレンドへ転換して株価が上がっていることがわかる。

捨て子線の出現した銘柄(パナソニック)のチャート

捨て子線のチャート例

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